薄毛対策にシャンプーは有効?育毛シャンプーの効果と頭皮ケアの考え方
薄毛が気になり始めたとき、まずシャンプーを変えてみようと考える方は少なくありません。
ただ、育毛シャンプーには何ができて、何ができないのかを正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、育毛シャンプーの働きと普通のシャンプーとの違いを解説します。
また、成分の選び方・正しい使い方・限界と次に取るべき対策まで、薄毛ケアの観点から整理します。
「シャンプーを変えたのに改善しない」と感じている方も、育毛シャンプーの利用を検討している方も、ぜひ最後までお読みください。
目次
育毛シャンプーとは?|普通のシャンプーとの違いを確認

育毛シャンプーに興味を持っている方の多くが、まず気になるのは「普通のシャンプーと何が違うのか」という点ではないでしょうか。
見た目はほとんど同じでも、その目的と成分構成には明確な違いがあります。
ここでは育毛シャンプーの基本的な役割と、普通のシャンプーとの違いを整理します。
頭皮環境を整えることで育毛をサポートする
育毛シャンプーは「髪を生やす」ためではなく「髪が育ちやすい頭皮環境を整える」ことを目的としたシャンプーです。
一般的なシャンプーの主な役割は、頭皮や髪についた汚れ・余分な皮脂を洗い流すことです。
育毛シャンプーはそこにさらに、頭皮の潤いを保ちつつ、フケ・かゆみ・炎症などのトラブルを予防する成分が配合されています。
「直接的な発毛効果がある」という製品は医薬品に限られており、一般に販売されている育毛シャンプーには発毛を促す効果は期待できません。
その代わり、毛根に栄養が届きやすい清潔かつ健康な頭皮環境を整える土台として機能します。
毎日使うものだからこそ、頭皮への影響は少しずつ蓄積されます。
洗うたびに頭皮をいたわる成分が働くか、刺激を与える成分が働くかで、長期的な頭皮の状態に差が生まれるとされています。
洗浄成分の種類によって頭皮への影響が変わる
シャンプーの洗浄力と頭皮への刺激を左右するのは「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」と呼ばれる成分です。
どの種類が使われているかによって、頭皮環境への影響が大きく異なります。
界面活性剤には主に3つの種類があります。
| 種類 | 洗浄力 | 頭皮への刺激 | 主な特徴 |
| 高級アルコール系(石油系) | 強い | 高め | ・泡立ちがよく市販品に多い ・必要な皮脂まで落とすリスクがある |
| アミノ酸系 | 穏やか | 低い | ・低刺激で頭皮への負担が少ない ・育毛シャンプーに多く使われる |
| ベタイン系 | 穏やか〜やや弱い | 低い | ・アミノ酸系と同様に低刺激 ・他の成分と組み合わせて配合されることが多い |
市販の安価なシャンプーには高級アルコール系が多く採用されており、洗浄力が強い分、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう場合があります。
一方、アミノ酸系やベタイン系は低刺激で皮脂を落としすぎない特性があり、育毛シャンプーに多く使われています。
「育毛」と「発毛」は異なる働きだと理解する
「育毛」と「発毛」は似ているようで、意味が異なります。
育毛シャンプーへの期待値を正しく持つために、この違いをまず押さえておくことが重要です。
育毛とは:すでに生えている毛を健康に育てること。抜け毛を予防し、髪が生えて抜けるまでの一定の周期(ヘアサイクル)を正常に保つことが目的です。育毛シャンプーが貢献できるのは主にこの領域です。
発毛とは:毛が存在しない部分に新たに髪を生やすこと。医薬品の成分による働きかけが必要で、たとえばミノキシジル(血行促進による発毛効果が認められた成分)などが該当します。
育毛シャンプーは「育毛」には貢献できますが「発毛」効果は期待できません。
ただし「育毛シャンプーは意味がない」ということではありません。
健康な頭皮環境を保つことは、今ある髪を守り、薄毛の進行を緩やかにするうえで意味のあるケアです。
育毛と発毛、それぞれの役割を正しく理解したうえで活用することが、シャンプー選びの出発点となります。
薄毛と頭皮環境の関係|なぜシャンプー選びが重要なのか

毎日頭皮に触れるシャンプーは、頭皮環境に少しずつ影響を与え続けます。
ここでは、頭皮の状態が薄毛とどのように関係しているのかを、皮脂・洗髪習慣・ヘアサイクルの3つの観点から整理します。
皮脂の過不足がどちらも薄毛リスクにつながる
頭皮の皮脂は「多すぎても少なすぎても」頭皮トラブルにつながる可能性があります。
「皮脂は悪いもの」と思いがちですが、実際には頭皮を守る重要な役割を担っています。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすくなるため注意が必要です。
詰まりが続くと毛根周辺に炎症が起きやすくなり、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん:頭皮の炎症の一種)へと発展するケースもあります。
炎症が慢性化すると、毛根への栄養供給が滞る可能性があるとされています。
洗いすぎや刺激の強いシャンプーで皮脂が過剰に失われると、頭皮は乾燥や外部刺激に対して無防備な状態になりがちです。
つまり「しっかり洗えば洗うほどよい」というわけではありません。
皮脂を適切なバランスに保てるシャンプー選びが、健康な頭皮環境の維持につながります。
洗いすぎ・洗わなさすぎが頭皮トラブルを招く
シャンプーの洗い方や頻度によって、頭皮の皮脂バランスは大きく崩れる可能性があります。
例えば、必要以上に洗い続けると、頭皮に本来必要な皮脂が繰り返し取り除かれます。
その結果、頭皮のバリア機能が慢性的に低下し、乾燥→かゆみ→フケ→炎症という連鎖が起きやすくなります。
「薄毛が気になるから念入りに洗う」という行動が、かえって頭皮環境を悪化させているケースも少なくありません。
一方、洗髪頻度が少なすぎると、1日で分泌された皮脂・汗・整髪料の残りが頭皮に蓄積されます。
毛穴が詰まりやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境が生まれ、その結果、炎症や抜け毛リスクが高まる可能性があるとされています。
洗髪頻度の一般的な目安は、1日1回です。
ただし、季節・運動量・頭皮の状態によって最適な頻度は異なります。
大切なのは「何回洗うべきか」という正解を求めることよりも、自分の頭皮の状態を日々観察しながら調整する姿勢です。
例えば、洗髪後数時間でべたつきが気になる場合は皮脂の分泌量が多い傾向があり、逆に洗髪後すぐに乾燥感やかゆみが出る場合は皮脂が不足しやすい状態が考えられます。
こうしたサインをもとに、自分の頭皮に合った洗い方を判断することが重要です。
頭皮環境の乱れがヘアサイクルの乱れに直結する
頭皮環境の悪化は、髪の成長サイクルそのものに影響を与える可能性があります。
髪には「成長期→退行期→休止期」という一定の周期(ヘアサイクル)があります。
それぞれの意味は以下のとおりです。
| 時期 | 内容 | 期間の目安 |
| 成長期 | 毛根が活発に働き、髪が伸び続ける時期 | 数年(個人差あり) |
| 退行期 | 毛根の働きが徐々に弱まる移行期 | 数週間程度 |
| 休止期 | 毛根が休み、古い髪が抜け落ちる準備をする時期 | 数か月程度 |
健康な頭皮では、多くの毛が成長期にあり、髪のボリュームが保たれます。
しかし炎症・皮脂詰まり・乾燥などで頭皮環境が乱れると、成長期が短縮され休止期が早まる傾向があるとされています。
その結果、細く短い毛が増え、全体的なボリューム感が失われていくのです。
育毛シャンプーで頭皮環境を整えることは、ヘアサイクルを正常な状態に保つことへのサポートにつながります。
逆にいえば、毎日のシャンプー選びを軽視することは、ヘアサイクルの乱れを放置することと同義です。
シャンプーが薄毛ケアの土台と言われる理由は、ここにあります。
育毛シャンプーの成分と選び方|自分の頭皮タイプに合わせる

育毛シャンプーを選ぶ際「なんとなく有名なものを選ぶ」「値段が高いから良さそう」という基準では、自分の頭皮に合った製品にたどり着けないことがあります。
選び方の軸となるのは「洗浄成分」と「頭皮ケア成分」の2点です。
ここでは、成分の見方と自分の頭皮タイプへの当てはめ方を解説します。
洗浄成分はアミノ酸系またはベタイン系を選ぶ
薄毛が気になる方には、洗浄成分として「アミノ酸系」または「ベタイン系」が配合されたシャンプーを選ぶことが、一般的に適切とされています。
アミノ酸系・ベタイン系は低刺激で皮脂を落としすぎない特性があり、頭皮の潤いを保ちながら、汚れを取り除くことに適しているとされています。
毎日使うシャンプーだからこそ、洗浄力が穏やかで、頭皮への負担が少ない成分を選ぶことが重要です。
一方、高級アルコール系(石油系)は必要な皮脂まで奪うリスクがあるため、薄毛ケアの観点からは避けたほうが無難です。
シャンプーのボトル裏面には「全成分表示」が記載されています。
成分は配合量の多い順に並んでいるため、上位に何がきているかを確認しましょう。
- アミノ酸系の主な成分名:ココイルグルタミン酸Na・ラウロイルグルタミン酸Naなど
- ベタイン系の主な成分名:コカミドプロピルベタインなど
- 避けたい成分名:ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Na(上位に来ている場合は高級アルコール系が主体の可能性が高い)
「アミノ酸系シャンプー」と表示されていない製品でも、これらの成分名が成分表示の上位にあれば、アミノ酸系またはベタイン系を主体とした製品と判断できます。
頭皮ケア成分は悩みの種類ごとに確認する
育毛シャンプーには洗浄成分のほかに、頭皮の悩みに働きかける「頭皮ケア成分」が配合されています。
頭皮ケア成分は、大きく4つのカテゴリに分けられます。
| カテゴリ | 代表的な成分 | 期待できる働き |
| 保湿系 | ヒアルロン酸・セラミド・グリセリン | 頭皮の乾燥・フケを予防し、潤いを保つ |
| 血行促進系 | センブリエキス・カフェイン・ニコチン酸アミド | 毛根への栄養供給をサポートする |
| 抗炎症・殺菌系 | グリチルリチン酸ジカリウム・ピロクトンオラミン | 頭皮の炎症やフケを予防する |
| 補修・強化系 | ケラチン・コラーゲン・加水分解シルク | 髪のハリ・コシへの働きかけが期待できる |
「成分が多く配合されているほど良い製品」というわけではありません。
自分の悩みに合った成分が入っているかどうかを確認することが、製品選びの精度を高めます。
頭皮タイプによって選ぶべきシャンプーが変わる
成分の知識を持っていても、自分の頭皮タイプに当てはめられなければ意味がありません。
主な頭皮タイプと、それぞれに適したシャンプーの選び方は以下の表を参考にしてください。
| 頭皮タイプ | 主な特徴 | 選ぶポイント |
| 脂性頭皮 | 皮脂が多い・べたつきが気になる・夕方には頭皮がテカる | ・アミノ酸系でやや洗浄力が高めのもの ・ただし高級アルコール系は避ける |
| 乾燥頭皮 | 皮脂が少ない・フケが多い・かゆみが出やすい | 保湿成分が豊富で洗浄力が穏やかなアミノ酸系・ベタイン系 |
| 敏感肌・トラブルあり | 赤みや炎症が出やすい・市販品で刺激を感じたことがある | 無香料・無着色・防腐剤フリーなど添加物が少ないもの |
| 混合タイプ | 部位によって脂っぽさと乾燥が混在する | 低刺激のアミノ酸系を基本に、保湿成分も配合されたもの |
自分の頭皮タイプがよくわからないという場合は、まず「乾燥肌・敏感肌向け」と表示されたアミノ酸系シャンプーから試してみることをおすすめします。
刺激が少ない分、どの頭皮タイプにも比較的合わせやすいからです。
また、季節や体調によって頭皮の状態は変化します。
「以前は脂性だったから」と同じ製品を使い続けるのではなく、頭皮の状態を定期的に観察しながら見直す習慣を持つことも重要です。
育毛シャンプーの正しい使い方|洗い方・タイミング・組み合わせ方

自分に合った育毛シャンプーを選んでも、使い方が適切でなければ本来の効果を引き出しにくくなります。
洗い方・洗うタイミング・他のケアとの組み合わせ方を正しく理解することで、毎日のシャンプーが頭皮ケアとしてより機能しやすくなります。
ここでは、育毛シャンプーを使ううえで押さえておきたい3つのポイントを整理します。
洗い方の基本は指の腹でやさしくマッサージすること
育毛シャンプーの効果を引き出すには「何で洗うか」だけでなく「どう洗うか」が大切です。
洗髪の基本ステップは以下のとおりです。
① 洗う前にブラッシングをする
シャンプー前に軽くブラッシングすることで、髪の絡まりをほぐし、表面の汚れやほこりを取り除けます。
② ぬるま湯で予洗いする
シャンプーをつける前に、ぬるま湯(38℃前後が目安)で1〜2分ほど頭皮をしっかり流します。
この予洗いだけで汚れの大部分を落とすことができ、シャンプーの泡立ちも良くなります。
③ シャンプーを手のひらで泡立ててからつける
シャンプーを直接頭皮につけると、成分が1箇所に集中して刺激になる場合があります。
手のひらである程度泡立ててから頭皮全体になじませると、均一に洗いやすくなります。
④ 指の腹でやさしくマッサージしながら洗う
爪を立てて洗うと、頭皮に細かな傷がつき炎症リスクが高まります。
指の腹を使って、頭皮を円を描くようにやさしくほぐしながら洗いましょう。
力を入れすぎず、頭皮全体をまんべんなくケアすることを意識します。
⑤ すすぎは長めに丁寧に行う
シャンプーのすすぎ残しは、頭皮トラブルの原因になりかねません。
特に生え際・耳の後ろ・後頭部は残りやすいため、念入りにすすぎましょう。
⑥ タオルドライ後はドライヤーで乾かす
洗髪後は、清潔なタオルでやさしく押さえるように水気を取ります。
自然乾燥は頭皮が湿った状態が続くため、雑菌が繁殖しやすくなる可能性があります。
ドライヤーは頭皮から20cm程度離し、熱を当てすぎないよう注意しながら乾かしましょう。
正しい手順と洗い方を身につけることで、頭皮への負担を減らしながら洗浄効果を高められます。
薄毛ケアには夜の洗髪が理にかなっている
洗髪のタイミングとして、薄毛ケアの観点からは夜(就寝前)に洗うことが一般的に適切とされています。
夜の洗髪が推奨される主な理由は以下の3点です。
①1日の汚れを落とした状態で眠れる
日中に分泌された皮脂・汗・外部からの汚れを就寝前に洗い流すことで、清潔な頭皮環境で眠れます。
毛穴が詰まった状態で長時間過ごすよりも、頭皮への負担が少なくなります。
②成長ホルモンが分泌される時間帯に頭皮を清潔に保てる
髪の成長に関わる成長ホルモンは、深い眠りに入った直後に多く分泌されるとされています。
清潔な頭皮環境で就寝することで、このホルモンが働きやすい状態を整えることにつながります。
③シャンプー後のバリア機能低下を外部ダメージから守れる
シャンプー直後は頭皮のバリア機能が一時的に低下します。
就寝前に洗うことで、バリアが回復する間に紫外線や外気の刺激を受けにくい状態で過ごせます。
生活スタイルによっては朝の洗髪しかできないケースもあるでしょう。
その場合は、夜はシャンプーを使わずぬるま湯のみで軽く頭皮を流す方法も選択肢のひとつです。
シャンプーによる皮脂の過剰な除去を避けながら、朝に清潔な状態で1日をスタートできます。
洗髪のタイミングに厳密な正解があるわけではなく、生活スタイルや頭皮の状態に合わせた判断が重要です。
育毛剤やAGA治療薬と組み合わせると相乗効果が期待できる
育毛シャンプーは単体でも頭皮ケアに有効ですが、育毛剤やAGA治療薬と組み合わせることで、それぞれの働きを補完し合える可能性があります。
薄毛のケア・治療には、目的ごとに異なるアプローチがあります。
それぞれの役割を、以下の表で確認してみましょう。
| アイテム | 主な役割 |
| 育毛シャンプー | 頭皮環境を整え、健康な髪が育ちやすい土台をつくる |
| 育毛剤 | 育毛をより積極的にサポートする成分を頭皮に届ける |
| AGA治療薬(外用・内服) | 発毛促進・薄毛の進行抑制を目的とした医薬品による治療 |
育毛シャンプーで頭皮環境が整っている状態は、その後に使用する育毛剤や外用薬の浸透・吸収が促されやすくなる可能性があるとされています。
シャンプーが土台を整え、育毛剤や治療薬がその上で働くというイメージです。
それぞれ役割が異なるため、競合するものではありません。
ただし、AGA治療薬は医薬品であるため、使用にあたっては必ず医師への相談が必要です。
AGA治療薬の種類や特徴・適応については、次の章で詳しく解説します。
育毛シャンプーの限界と次に考えたい選択肢

育毛シャンプーの役割や使い方を理解したうえで「育毛シャンプーにできないこと」も確認しておきましょう。
シャンプーへの過度な期待が、薄毛ケアの判断を遅らせてしまうケースも少なくありません。
ここでは、育毛シャンプーの限界や次に取るべき選択肢について解説します。
シャンプーは土台作りができるが根本改善には届かない
育毛シャンプーは頭皮環境を整える土台として有効ですが、薄毛そのものを根本から改善する手段ではありません。
育毛シャンプーでできること
- 余分な皮脂や汚れを穏やかに洗い流し、頭皮を清潔に保つ
- 頭皮の乾燥・フケ・かゆみといったトラブルを予防する
- ヘアサイクルを正常に保つ環境をサポートする
- 今ある髪のハリ・コシを維持しやすくする
育毛シャンプーにできないこと
- AGAによる脱毛の進行を抑制すること
- すでに縮小・休眠状態にある毛根を復活させること
- 薄くなった部分に新たな髪を生やすこと
- 遺伝や男性ホルモンに起因する薄毛の根本原因に働きかけること
「シャンプーを変えたのに薄毛が改善しない」と感じている方は、その改善が育毛シャンプーに期待できる範囲を超えている可能性があります。
育毛シャンプーは薄毛対策の土台であり、それ以上でも以下でもないという認識を持つことが重要です。
薄毛に悩む方にとって本当に必要な情報は「自分の薄毛がどの段階にあるのか」を把握することです。
シャンプーで対応できる段階なのか、それとも別のアプローチが必要な段階なのかを見極めることが、遠回りしないための第1歩になります。
AGAが原因の薄毛には専門的な治療を検討する
AGAは、遺伝的素因と男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン:薄毛の原因となる男性ホルモンの一種)の影響によって毛根が徐々に萎縮する疾患です。
生活習慣の改善やシャンプーの見直しだけでは進行を止めることが難しく、適切な治療を行わないと薄毛が進行し続ける傾向があります。
以下のような状態が続く場合は、AGAの可能性を専門家に確認することをおすすめします。
- 生え際が少しずつ後退してきた
- 頭頂部の薄さが気になり始めた
- シャンプーや育毛剤を変えても改善が見られない
- 抜け毛の量が以前より明らかに増えた
AGA治療の主な選択肢は、以下の4つが挙げられます。
| 治療法 | 種類 | 主な働き | 備考 |
| フィナステリド | 内服薬(医薬品) | 薄毛の進行を抑制する | 女性・妊婦には使用不可 |
| デュタステリド | 内服薬(医薬品) | フィナステリドよりも広範囲に作用するAGA治療薬のひとつ | 女性・妊婦には使用不可 |
| ミノキシジル外用薬 | 外用薬(医薬品) | 血行促進による発毛効果が認められた成分 | 濃度により処方薬と市販品がある |
| 自毛植毛 | 外科的治療 | 自分の毛根を薄毛部分に移植し、恒久的な改善を目指す | より根本的な対策として選ばれることが多い |
内服薬・外用薬は、AGAの進行を抑制・緩和することを目的とした治療です。
一方、自毛植毛は薄くなった部分に自分の毛根を移植することで、より根本的な改善を目指す外科的治療です。
AGA治療はいずれも医師の診断が前提となります。
迷っている間にも薄毛は進行する可能性があるため、気になる症状があれば早めに専門クリニックでの頭皮診断や、カウンセリングを検討することをおすすめします。
自毛植毛の仕組みや費用については、以下の関連記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
【関連記事】
薄毛ケア・育毛シャンプーに関するよくある質問

育毛シャンプーについて調べていると、細かな疑問が出てくることも多いのではないでしょうか。
ここでは、よくいただく質問をまとめました。
ここまでで触れられなかったポイントも、あわせて確認しましょう。
育毛シャンプーは毎日使っていい?
A.基本的に問題ありません。
育毛シャンプーは、もともと毎日の使用を想定して設計されています。
低刺激な洗浄成分が使われているため、継続して使っても頭皮への負担が少ないとされています。
ただし「毎日使うほど効果が高まる」というよりも「継続的に使うことで頭皮環境を安定して保てる」というイメージが正確です。
また、洗いすぎは皮脂の過剰な除去につながる可能性があるため、1日1回を目安にすることをおすすめします。
育毛シャンプーの効果はいつごろから実感できる?
A.頭皮環境の変化を実感するまでには、一般的に数週間〜数か月の継続使用が目安とされています。
頭皮の細胞が生まれ変わる周期(ターンオーバー)は約1か月とされており、ヘアサイクル全体での変化となると数か月単位の時間が必要です。
「使い始めてすぐに変化が出ない=効果がない」ということではなく、継続することに意味があります。
一方で、3〜6か月ほど継続しても気になる改善が見られない場合は、薄毛の原因がAGAなど別のところにある可能性も考えられます。
その際は、シャンプーの変更だけで対処しようとせず、専門クリニックへ相談しましょう。
普通のシャンプーからの切り替えはいつがいい?
A.特定のタイミングは必要なく、気になったときにすぐ切り替えて問題ありません。
ただし、切り替え直後は頭皮の状態が一時的に変化することがあります。
これまでのシャンプーで皮脂をしっかり落としていた頭皮が、低刺激な成分に切り替わることで、一時的にべたつきや乾燥感が出るケースも。
最初の1〜2週間は様子を見ながら使い続けることをおすすめします。
「まだ大丈夫」と先送りにするよりも、気になった段階で行動することが早めのケアにつながります。
育毛シャンプーだけでAGAは改善できる?
A.育毛シャンプーのみでAGAの進行を改善・抑制することはできません。
AGAは遺伝や男性ホルモンによる毛根の萎縮が根本原因であり、頭皮環境を整えるシャンプーとは異なるアプローチが必要です。
育毛シャンプーはあくまでAGA治療の補助的なケアとして位置づけるのが適切です。
AGAの治療の選択肢や専門的なアプローチについては、本文の「育毛シャンプーの限界と次に考えたい選択肢」で詳しく解説しています。
薄毛の進行が気になる方は、あわせてご確認ください。
女性でも育毛シャンプーは使える?
A.育毛シャンプー自体は、女性でも使用できる製品が多くあります。
ただし、女性の薄毛の原因は、男性と異なる場合が少なくありません。
女性の薄毛には、ホルモンバランスの乱れ・産後・更年期・慢性的なストレス・栄養不足などが関係していることが多く、男性型脱毛症(AGA)とは発症メカニズムが異なります。
頭皮環境を整えるという点では、育毛シャンプーの活用は男女共通で有効とされています。
一方で、シャンプーを変えても改善が見られない場合は、女性特有の薄毛治療を専門とするクリニックへの相談を検討することが重要です。
また「男性向け」と表示されたシャンプーには、女性には適さない成分が含まれている場合もあります。
できれば女性向け、または男女兼用と明記された製品を選ぶほうが無難です。
なお、AGA治療薬のフィナステリド・デュタステリドは女性(特に妊娠中または妊娠の可能性がある方)には使用できないため、治療を検討する際は必ず医師に相談してください。
まとめ|シャンプーは頭皮ケアの土台、薄毛の根本には専門的な対策も視野に
育毛シャンプーは、髪が育ちやすい頭皮環境を整える土台として有効なケアです。
薄毛対策の土台を築くには、まず自分の頭皮に最適な成分・洗い方・タイミングを知り、それを習慣化することが不可欠です。
一方で、AGAが原因の薄毛には、シャンプーだけでは進行を抑制できません。
「シャンプーを変えたのに改善しない」と感じている場合は、薄毛の原因が頭皮環境以外のところにある可能性も考えられます。
生え際の後退や頭頂部の薄さが続く場合は、1度専門クリニックで頭皮の状態を確認してみることも選択肢のひとつです。
当院では無料カウンセリングを実施しており、頭皮の状態や薄毛の進行度に応じた治療の選択肢をご案内しています。
「シャンプーを変えても改善しない」「自分の薄毛がどの段階にあるのか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。